
子どもに多い皮膚トラブル
お風呂上がりに背中を見たら赤いポツポツが増えていた、おむつを替えるたびにお尻が赤くなっている——お子さまの肌は、汗や摩擦、ちょっとした感染をきっかけに、いろいろなサインを出します。
とびひや水いぼ、あせも、おむつかぶれ、じんましんは、いずれも子どもによく見られる皮膚トラブルですが、原因も治りかたもそれぞれ違います。同じ「赤いブツブツ」でも、細菌やウイルスの感染によるものと、汗や摩擦による刺激、アレルギー反応によるものとでは、家庭でのケアの仕方も受診のタイミングも変わってきます。
ここでは5つの代表的な皮膚トラブルについて、特徴と家庭でのケア、受診の目安をご説明します。判断に迷う症状や、繰り返し起こる皮膚のお悩みは、火曜午後・金曜午前の小児皮膚科(井口真帆医師担当)でも継続してご相談いただけます。
よくある5つの皮膚トラブル
とびひ(伝染性膿痂疹)
とびひは、虫刺されやあせも、湿疹などをかき壊した傷口から、黄色ブドウ球菌や溶連菌といった細菌が入り込んで起こる皮膚の感染症です。水ぶくれができて破れ、じゅくじゅくとした状態になるタイプと、皮膚が厚いかさぶたに覆われるタイプの2種類があります。
かゆみを伴うことが多く、掻いた手で別の場所に触れると、飛び火のように次々と患部が広がっていきます。名前のとおり、一晩のうちに範囲が広がることも珍しくありません。
家庭では、患部を清潔に保ち、爪を短く切って掻き壊しを防ぎます。タオルの共用は避けましょう。多くの場合、抗菌薬の外用薬や内服薬による治療が必要になります。患部をガーゼ等で覆えば登園・登校できることが多いですが、プールや水遊びは治るまで控えます。
水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスの感染によってできる、表面がつやつやとした1〜5mm程度の小さないぼです。体幹や手足、脇の下などにでき、中央がわずかにへこんでいるのが特徴で、かゆみはほとんどないか、あっても軽度です。
肌と肌が触れ合うことや、タオル・浮き輪の共用などでうつることがありますが、プールの水そのものから感染することはないとされています。「学校において予防すべき感染症」にも含まれておらず、登園・登校を止める決まりはありません。
自然に治っていくことが多いいぼですが、消えるまでに数か月から数年かかることもあり、経過には個人差があります。ピンセットで一つずつ摘除する方法もありますが、痛みを伴うため、無理に取らず経過を見る方針を取ることもあります。摘除するかどうかは、いぼの数や広がり方、お子さまの様子を見ながらご相談のうえ決めています。
あせも(汗疹)
あせもは、汗をたくさんかいたときに汗腺や毛穴がふさがれ、汗がうまく排出できずに炎症を起こしてできる発疹です。首まわりや脇の下、背中、おむつの中など、汗がたまりやすく蒸れやすい部位にできやすいのが特徴です。
透明な小さい水ぶくれのようなものから、赤みを伴うブツブツまで見た目にはいくつか種類があります。かゆみを伴うことが多く、掻き壊すととびひに移行することもあるため注意が必要です。
汗をかいたらこまめに拭き取る、シャワーで洗い流す、風通しのよい服を選ぶといった対応で、ほとんどの場合は改善します。エアコンで室温を調整し、汗をかきすぎない環境を整えることも効果的です。
おむつかぶれ
おむつかぶれは、おむつの中の蒸れや、尿・便による刺激、こすれなどが重なって起こる皮膚炎です。おむつが直接あたるお尻や股、太もものつけ根が赤くなり、ひどくなるとただれて痛がることもあります。
おむつはこまめに替え、拭き取るときはこすらずに優しく押さえるように水分を取ります。替えるたびに少し肌を乾かす時間を作ると、蒸れが軽減されます。
赤みが広がる、じくじくして治りにくい場合は、カンジダというカビの一種が関係していることもあります。市販の保湿剤で数日様子を見ても改善しない場合は、一度診察をご検討ください。
じんましん
じんましんは、皮膚の一部が赤く盛り上がり、強いかゆみを伴う発疹です。食べ物、薬、感染症、気温の変化、摩擦などさまざまなきっかけで起こりますが、原因がはっきりしないことも少なくありません。
個々の発疹は数十分から数時間のうちに跡形もなく消え、また別の場所に新しく出てくることを繰り返すのが特徴です。多くは数日のうちに落ち着きますが、6週間以上続く場合は慢性じんましんと呼ばれます。
唇や瞼の腫れ、息苦しさ、繰り返す嘔吐を伴う場合は、アナフィラキシーという重いアレルギー反応が起きている可能性があります。次の章でご案内する様子が見られたときは、時間を置かずすぐご連絡ください。
5つの症状の見分け方
同じような赤い発疹に見えても、原因によって家庭での対応やホームケアの仕方は変わります。下記の表で全体像を確認し、判断に迷うときは受診してご相談ください。
| 疾患名 | 主な原因 | 特徴的な症状 | うつるかどうか |
|---|---|---|---|
| とびひ(伝染性膿痂疹) | 細菌感染(黄色ブドウ球菌・溶連菌) | 水ぶくれ・かさぶたが急速に広がる | うつる(タオル共用等に注意) |
| 水いぼ(伝染性軟属腫) | ウイルス感染 | つやのある小さないぼ状の発疹 | うつることがある |
| あせも(汗疹) | 汗腺のつまり・蒸れ | 汗をかきやすい部位の小さなブツブツ | うつらない |
| おむつかぶれ | 蒸れ・尿や便の刺激・こすれ | おむつがあたる部分の赤み・ただれ | うつらない |
| じんましん | アレルギー・感染症・物理的刺激など | 赤く盛り上がる発疹が出ては消える | うつらない |
受診の目安・注意したいサイン
多くの皮膚トラブルは、様子を見ながら診療時間内にご相談いただければ十分です。次のような様子があるときは、通常の受付の順番を待たず、お電話または救急要請をご検討ください。
- 発疹や赤みが短時間で全身に広がっている
- 唇や瞼が腫れる、呼吸が苦しそう、繰り返し嘔吐する(アナフィラキシーの可能性)
- 高熱を伴い、患部の腫れや痛みが強い(とびひの重症化のサイン)
- 患部から膿が増える、赤みの範囲がどんどん広がっている
気になる様子があるときは、無理に診療時間まで待たず、048-941-8686までご連絡ください。来院の時間帯を調整いたします。
よくあるご質問
必ずしも摘除が必要というわけではありません。自然に治っていくことが多いいぼで、無理に取らず経過を見る方針を取ることもあります。摘除する場合は痛みを伴うため、いぼの数や広がり方を見ながらご相談のうえ決めています。
とびひは接触でうつることがあるため、タオルや衣類の共用は避けていただくと安心です。あせもやおむつかぶれ、じんましんは感染症ではないため、きょうだいにうつる心配はありません。
水いぼはプールの水そのものではうつらないとされていますが、タオルや浮き輪の共用は避けます。とびひは治るまでプールを控えていただいています。
急に発疹が出た、熱を伴うといった場合は、まず一般小児科(予約不要)へお越しください。慢性的に繰り返す・広範囲に及ぶ場合は、火曜午後・金曜午前の小児皮膚科(井口真帆医師担当)でも継続してご相談いただけます。
医師 井口 真帆
ご来院前のお問い合わせ
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048-941-8686
受付 9:30–12:00 / 15:00–18:00
