
食物アレルギーの症状
卵や乳製品を食べたあとに、口のまわりが赤くなったり、じんましんが広がったりして、初めて気づいて驚くご家庭は少なくありません。離乳食を始めたばかりの時期は、何を食べたあとの変化なのか分かりにくいこともあると思います。
食物アレルギーの症状は、皮膚・消化器・呼吸器など体のいろいろな部分に表れます。同じ食品でも出方や強さはお子さまごとに違うため、診察ではいつ・何を食べて・どんな様子が出たかを詳しくうかがいます。
- 皮膚症状:かゆみ、じんましん、唇や目のまわりの腫れ
- 消化器症状:嘔吐、下痢、腹痛
- 呼吸器症状:くしゃみ、鼻水、咳、ゼーゼーとした呼吸
- 全身症状(アナフィラキシー):複数の症状が同時に、急に強く出る状態
症状が出るまでの時間や強さには個人差があります。食べた時間・量・症状が出るまでの経過をメモしておくと、診察での原因の絞り込みに役立ちます。目安となる対応は次のとおりです。
| 症状の様子 | 目安となる対応 |
|---|---|
| かゆみ・軽い発疹のみ | 皮膚を洗い、しばらく様子を見ます。症状が続くようならご連絡ください |
| 唇や目のまわりの腫れ、複数箇所のじんましん | 早めに当院へお電話のうえ受診をお願いします |
| 咳込み・ゼーゼー、繰り返す嘔吐、呼吸が苦しい、意識がぼんやりする(アナフィラキシーの可能性) | 直ちに119番。アドレナリン自己注射薬(エピペン等)をお持ちの場合は使用してください |
診断と検査
似たような発疹でも、食物アレルギーではなく汗や乾燥、ウイルス性の発疹が原因になっていることもあります。当院では、血液検査や皮膚テストの結果だけに頼らず、症状が出たときの状況を詳しくうかがったうえで診断を進めます。血液検査(IgE抗体)の値は高くても症状が出ないお子さまや、値が低くても症状が出るお子さまがいるため、結果だけで「食べられる・食べられない」を決めることはできないためです。
実際に食べられるかどうかを確認したい場合や、これまで除去していた食品が食べられるようになったかを確認したい場合は、食物経口負荷試験が必要になることがあります。当院の外来では実施しておらず、必要な場合は連携病院(さいたま市立病院・相模原病院)にご紹介します。
食物経口負荷試験までの流れ
当院の外来では負荷試験の実施は行っておらず、必要と判断した場合は連携病院にご紹介します。おおむね次のような流れで進めます。
これまでの症状の経過を確認し、負荷試験を行う食品と量を相談します。
実施可能な連携病院への紹介状をお作りします。実施日の予約は、紹介先の病院で行っていただきます。
紹介先での結果を当院にも共有いただき、その食品を食生活に取り入れる方法や、今後の除去の範囲について一緒に見直します。
治療と食物除去の考え方
「念のため」といくつもの食品を同時に除去してしまうと、成長に必要な栄養が不足したり、食べられるようになる機会を遅らせてしまうことがあります。当院では、症状の経過から反応が確認された食品だけを、医師の診断のもとで必要な範囲にとどめて除去する方針で診療しています。
- 自己判断で食品を増やしたり減らしたりせず、変更する前に医師に相談する
- 除去する食品の種類・量・調理法(加熱の有無など)を具体的に確認する
- 定期的に診察で経過を確認し、必要に応じて食物経口負荷試験(連携病院にて実施)を行い、除去を続ける必要があるかを見直す
年齢が上がるにつれて、少しずつ食べられる量が増えていくお子さまもいます。食べられるようになったかどうかも、家庭で自己判断のもとに試すのではなく、食物経口負荷試験(連携病院にて実施)など医師の管理のもとで確認します。
誤食してしまった時の対応
除去しているはずの食品を、誤って食べてしまうことは珍しくありません。給食やおやつ、加工食品の原材料の見落としなど、きっかけはさまざまです。慌てず、お子さまの様子を確認してください。
- 症状が軽い(口のまわりの赤み・軽いかゆみのみ)場合は、その場で様子を見ます
- 誤食時に使用するお薬は、あらかじめ処方しています。指示された量・タイミングで使用します
- 呼吸が苦しそう、ゼーゼーという音がする
- 唇や顔色が悪い、意識がぼんやりしている
- 繰り返す嘔吐や、全身に広がるじんましん(アナフィラキシーの可能性)
アドレナリン自己注射薬(エピペン等)を処方されている場合は、上記のような症状が出た時点で使用し、そのあと救急要請をします。当院は登録医として、アナフィラキシー自己注射薬の処方が可能です。必要と判断した場合は、使用方法の講習を受けていただいたうえで処方しますので、ご希望の場合はあらかじめ048-941-8686までお問い合わせください。
栄養相談との連携
除去する食品が増えると、カルシウムやたんぱく質など、成長に必要な栄養が不足しないか気になると思います。当院では、除去食の内容にあわせて食事の工夫をご相談いただける栄養相談を行っています。毎週水曜日・木曜日の10:00〜11:30に実施しており、予約は不要です。
- 除去している食品を、別の食品でどう置き換えるか
- 離乳食・幼児食での栄養バランスの工夫
- 体重や成長の伸びに応じた食事量の見直し
よくあるご質問
できません。抗体の値が高くても症状が出ない場合もあれば、値が低くても症状が出る場合もあるため、当院では血液検査を診断の判断材料にはしていません。症状の経過を伺い、必要な場合は食物経口負荷試験の結果とあわせて医師が総合的に判断します。
当院の外来では実施しておらず、必要と判断した場合は連携病院にご紹介します。所要時間や実施方法は、紹介先の病院にご確認ください。
お子さまによって経過は異なります。年齢や検査結果に応じて、食物経口負荷試験(連携病院にて実施)を行いながら食べられる量を確認していく方法があります。家庭で自己判断で試すのではなく、まず診察でご相談ください。
軽い症状であれば、その場で様子を見ながら、処方されているお薬があれば指示どおりに使用します。呼吸が苦しそう、唇や顔色が悪い、意識がぼんやりしているといった様子があれば、家庭での対応を待たず119番をお願いします。
除去食による栄養面のご相談だけでも対応します。毎週水曜日・木曜日の10:00〜11:30に実施しており、予約は不要です。
院長 井口 正道
保有資格・所属学会
- 日本小児科学会 専門医
- 日本アレルギー学会 専門医
ご来院前のお問い合わせ
受診について気になることがあれば、お気軽にお電話ください。
048-941-8686
受付 9:30–12:00 / 15:00–18:00
