
対象となるワクチンと当院の考え方
「このワクチンは受けたほうがいいのかな」「費用がかかるようだけど、どのくらい必要なんだろう」。任意接種と聞くと、定期接種とは違う迷いが浮かぶ保護者の方も多いと思います。任意接種は公費(自己負担なし)の対象ではありませんが、防げる病気の重さや、体への影響の考え方は定期接種と変わりません。
おたふくかぜワクチンと、三種混合(DPT)、不活化ポリオを就学前にご案内しています。当院で実際にご案内している任意接種の品目は、このほかにも複数あります。
定期接種と任意接種の料金の違いについては「定期接種・任意接種と料金」のページでもまとめています。母子手帳の記録を確認すれば、お子さまがどちらの対象かはすぐに分かりますので、迷ったときは診察の際にお持ちいただくのがいちばんの近道です。
おたふくかぜワクチンの接種時期
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスによる感染症で、耳の下からあごにかけて腫れ、発熱を伴うことがよくあります。多くは1週間程度で自然に治まりますが、まれに無菌性髄膜炎や、片耳の難聴といった合併症が起こることがあります。難聴は治療をしても改善しないことがあるため、ワクチンで防ぎたい合併症のひとつとして特に知られています。
日本小児科学会は、1歳になったらできるだけ早い時期に1回目を、小学校入学前の1年間に2回目を受ける、合計2回の接種を勧めています。1回のみでは十分な抗体がつきにくいお子さまがいることが分かっており、2回接種することで防げる範囲が広がります。
おたふくかぜワクチンは生ワクチンです。水痘やBCGなど、ほかの注射の生ワクチンを別の日に受ける場合は27日以上の間隔をあけます。インフルエンザワクチンなど不活化ワクチンとの組み合わせであれば、間隔の制限は原則ありません。
三種混合(DPT)任意追加接種の考え方
四種混合や五種混合として乳幼児期に受けた定期接種の効果は、年数がたつうちに少しずつ弱まっていきます。なかでも百日せきへの免疫は下がりやすく、小学校に入学した後にせきの症状が長引くお子さまが増える一因になっていると言われています。日本小児科学会は、5歳以上7歳未満、就学前の1年間を目安に、三種混合(DPT)ワクチンの追加接種を検討する考え方を示しています。
三種混合ワクチンは本来、生後2か月から始まる乳幼児期の定期接種で使うものです。就学前のお子さまへの追加接種は、添付文書に記載された年齢とは異なる使い方にあたるため、事前に内容をご説明したうえで進めます。当院でも実施していますので、下記の料金とあわせてご確認ください。
推奨接種スケジュール
2つのワクチンの目安となる時期を、下の表にまとめました。年齢は目安であり、体調やこれまでの接種歴によって前後することがあります。
| 対象月齢・年齢 | ワクチン名・項目名 | 区分 | 接種回数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1歳になったらできるだけ早めに | 1回目接種 | 任意 | 1回 | 生ワクチンのため、他の注射生ワクチンとの間隔にご注意ください |
| 5〜6歳(小学校入学前の1年間) | 2回目接種 | 任意 | 1回 | 1回目の効果を補い、防げる範囲を広げます |
| 対象月齢・年齢 | ワクチン名・項目名 | 区分 | 接種回数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 5歳以上7歳未満(就学前) | 三種混合(DPT) | 任意 | 1回 | 百日せきの免疫低下に備える追加接種です |
| 同時期が目安 | 不活化ポリオワクチン | 任意 | 1回 | 三種混合との同時接種をおすすめしています |
接種にかかる料金
任意接種は保険診療の対象外のため、実費でのご案内になります。
| ワクチン名・項目名 | 対象 | 料金目安(税込) |
|---|---|---|
| おたふくかぜワクチン(1回目) | 1歳〜 | 5,960円 |
| おたふくかぜワクチン(2回目) | 5〜6歳(就学前) | 5,960円 |
| 三種混合(DPT)任意追加接種 | 5歳以上7歳未満 | 9,320円 |
| 不活化ポリオワクチン(任意追加接種) | 5歳以上7歳未満 | 6,680円 |
お支払い・助成について
- 上記の料金は税込表示です。
- お支払い方法は当院の受付窓口でご案内します。
- 料金は今後変更となる場合があります。最新の金額は診察時にご確認いただけます。
接種当日までの流れ
任意接種も、母子手帳の記録を確認しながら進めます。当日は次のような流れでご案内します。
母子手帳と予診票をご提出いただき、当日の体調を確認します。
ワクチンの内容をご説明し、同意をいただいたうえで接種します。
院内で少し様子をみたあと、お会計と次回のご案内をします。
接種前後の注意点
次のような点は、接種前に確認し、接種後もしばらく様子を見ていただきたい内容です。
- 接種当日、37.5度以上の発熱がある場合は接種を見合わせます
- 過去に同じワクチンで強いアレルギー症状(じんましん、呼吸の苦しさなど)が出たことがある場合は、事前にお伝えください
- 三種混合の就学前追加接種は添付文書の記載とは異なる使い方となるため、内容にご同意いただいたうえで進めます
- 接種部位の腫れや赤み、37〜38度程度の発熱がみられることがありますが、多くは数日で治まります
- 接種後、高熱が続く、ぐったりして反応が鈍いなど、いつもと違う様子があればご連絡ください
よくあるご質問
1回のみでは、十分な抗体がつきにくいお子さまがいることが分かっています。日本小児科学会は、1歳での1回目に加え、就学前の1年間に2回目を受ける、合計2回の接種を勧めています。1回目だけで安心せず、2回目の時期になったらあわせてご検討ください。
必須ではなく、任意接種の位置づけです。ただ、百日せきの免疫が下がる時期と小学校生活の始まりが重なるため、追加接種を選ぶご家庭も増えています。迷う場合は、これまでの接種歴を確認しながら診察の際にご相談ください。
組み合わせによっては、同じ日に同時接種できる場合があります。医師が体調とワクチンの種類を確認したうえでご案内しますのでまとめてお伝えください。
院長 井口 正道
保有資格・所属学会
- 日本小児科学会 専門医
- 日本アレルギー学会 専門医
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