
気管支ぜんそくとは
夜間や明け方に、ヒューヒュー・ゼーゼーと音を立てて呼吸をする。咳が長く続き、なかなかおさまらない。気管支ぜんそくは、気道(空気の通り道)に炎症が起こり、ちょっとした刺激で気道が狭くなりやすくなっている状態です。花粉症やアトピー性皮膚炎と同じアレルギー体質のお子さまに多くみられます。
初めて咳やゼーゼーに気づいたときの受診目安は、「咳・ゼーゼー・息苦しさ」のページでご案内しています。このページでは、気管支ぜんそくと診断された後、症状と付き合いながら通院を続けていただくための検査・治療・生活管理についてまとめました。
当院では、一般小児科の診療時間内で気管支ぜんそくの検査や治療方針のご相談に対応しています。医師が必要と判断した場合は、あらためて専用の診療枠をご案内することもあります。
症状と検査
気管支ぜんそくの主な症状は、夜間から明け方にかけて強くなる咳、運動したあとの息苦しさ、聴診器を当てるとヒューヒュー・ゼーゼーという音(喘鳴)が聞こえる、といったものです。かぜをひくたびに咳が長引いたり、季節の変わり目に症状が出やすくなったりする場合も、気管支ぜんそくが関わっていることがあります。
診察では、これまでの症状の経過を伺い、聴診で呼吸の音を確認して気道の状態を判断します。
| 検査名 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 聴診 | 呼吸の音を聞き、喘鳴の有無や強さを確認します | 全年齢 |
聴診の所見だけでなく、普段の咳込みや呼吸の様子を保護者の方から伺うことが診断の大きな手がかりになります。気になる様子はメモをしておいていただくと、診察でお伝えしやすくなります。
治療について
治療は「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」に沿って進めます。気管支ぜんそくの治療は、「発作が起きにくい状態を保つ薬」と「発作が起きたときに気道を広げる薬」の2種類を使い分けます。症状がないときも気道の炎症自体は続いていることが多いため、両方の役割を理解しておくことが治療を続けるうえで欠かせません。
| 薬の種類 | 代表的な薬 | 使うタイミング |
|---|---|---|
| 長期管理薬(コントローラー) | 吸入ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬など | 症状がない時期も、医師の指示どおり毎日使い続けます |
| 発作治療薬(リリーバー) | 短時間作用性気管支拡張薬(吸入・内服) | 咳やゼーゼーが出たとき、発作の初期に使います |
長期管理薬の中心は吸入ステロイド薬です。気道の炎症を抑えて発作そのものを起こりにくくする薬で、肺だけに作用するため全身への影響は少ないとされていますが、毎日続けることで効果を発揮する薬です。症状が落ち着いても自己判断でやめず、量や続け方は診察の中で見直していきます。
吸入薬は、年齢に合わせて吸入補助器具(スペーサー)を使うと、薬をより気道の奥まで届けやすくなります。小さなお子さまは自分でうまく吸入できているか分かりにくいので、通院のたびに吸入の様子を確認します。
発作治療薬は、狭くなった気道をすぐに広げる薬で、咳やゼーゼーが強くなったときに使います。ただし発作治療薬だけに頼っていても、気道の炎症そのものは改善しません。使う回数が増えてきたときは、長期管理薬の見直しが必要なサインでもあるため、次の受診を待たずご相談ください。
発作が起きたときの対応
咳やゼーゼーが強くなったときは、まず落ち着いて座らせ、処方されている発作治療薬を指示どおりに使います。当院での対応の目安は次のとおりです。
医師の指示どおりの回数・量で、気管支拡張薬の吸入または内服を行います。
呼吸の速さ、顔色、会話や水分摂取ができるかどうかを確認します。
効果が不十分、または一時的に良くなってもすぐ悪化する場合は、048-941-8686までご連絡ください。
発作の程度は、呼吸の速さや息を吐くときの苦しさ、会話・食事・睡眠がどの程度できているかで判断します。軽い喘鳴だけであれば自宅で様子を見られることもありますが、判断に迷うときは電話でご相談いただくほうが安心です。
- 唇や顔色が青白い、または紫色っぽい
- 呼吸が速く肩で息をしている、陥没呼吸(肋骨の下や首もとがへこむ呼吸)がみられる
- 会話や水分摂取が続けられないほど息苦しそう
- ぐったりして、呼びかけへの反応が乏しい
次のような、上記以外で判断に迷う様子があるときは、まずは当院(048-941-8686)へお電話ください。
- 発作治療薬を使っても改善しない、または効果がすぐに切れる
急な咳やゼーゼーに初めて気づいたときの受診目安は、「咳・ゼーゼー・息苦しさ」のページでもご案内しています。
日常生活での管理
発作を起こしにくくするためには、薬による治療とあわせて、日常生活の中で気道への刺激を減らす工夫が欠かせません。
- ダニやハウスダストを減らすため、寝具は週1回を目安に掃除機をかけ、天日干しや防ダニカバーの使用も効果的です
- 家の中で喫煙しない、喫煙後すぐに抱っこしないなど、受動喫煙を避けます
- カーペットやぬいぐるみはこまめに洗濯・掃除し、ホコリがたまりにくい環境を保ちます
- 運動の前に軽い準備運動をしておくと、運動によって誘発される咳やゼーゼーを抑えやすくなります
- かぜは発作のきっかけになりやすいため、手洗い・うがいを習慣づけ、体調が整っていれば予防接種もあわせてご検討ください
保育園・幼稚園・学校で配慮が必要な場合、学校生活管理指導表などの書類作成に対応しています。発行までに数日かかることがあるため、提出期限が決まっている場合は早めにお申し出をお願いします。
よくあるご質問
使用後20〜30分たっても呼吸が苦しそうなときは、改善していないと判断し、048-941-8686までご連絡ください。顔色が悪く会話も難しいようであれば、119番への連絡もあわせて検討します。
続けます。気道の炎症は症状がない時期にも残っていることが多く、自己判断で中止すると発作を繰り返しやすくなります。薬を減らす・やめるタイミングは、通院の中で経過を見ながら一緒に判断します。
治療を続けながら運動に参加できるお子さまがほとんどです。運動の前に軽く準備運動をしておくと、運動によって誘発される咳やゼーゼーを抑えられることがあります。予防のために発作治療薬を使うことはしていません。体育や部活動で配慮が必要な場合はご相談ください。
成長とともに症状が軽くなるお子さまは多くいますが、経過には個人差があります。症状が落ち着いていても自己判断で通院をやめず、治療の終わり方は医師と相談しながら決めていきます。
学校生活管理指導表など、園・学校から求められる書類の作成に対応しています。提出期限が決まっている場合は、早めに診察時にお申し出いただくと助かります。
院長 井口 正道
保有資格・所属学会
- 日本小児科学会 専門医
- 日本アレルギー学会 専門医
ご来院前のお問い合わせ
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受付 9:30–12:00 / 15:00–18:00
